2023年税制改正大綱お金のはなし

2023年度税制改正大綱 ②相続時精算課税制度・生前贈与加算の見直し

2023年税制改正大綱

毎年行われる「税制改正」とは?

経済社会の変化に対応し、税負担の公平性を維持するために毎年行われる税に関する見直しです。

2023年度は、貯蓄から投資へと促すことを目的とした「新NISAの創設・生涯非課税保有限度額の拡大・恒久化」

若い世代への資産移転を目的とした「相続時精算課税制度の見直し」などがあります。

今回は「2023年度税制改正大綱 ②相続時精算課税制度・生前贈与加算の見直し」について解説していきます。

①新NISA制度の創設

②相続時精算課税制度・生前贈与加算の見直し

2023年度税制改正大綱 ①新NISA制度の創設
毎年行われる税制改正、経済社会の変化に対応し税負担の公平性を維持するために行われる税に関する見直しです。貯蓄から投資へと促すことを目的とした「新NISAの創設による、生涯非課税保有限度額の拡大・恒久化」現行NISAとの違いをわかりやすく解説します。



相続時精算課税制度・生前贈与加算の見直し

相続時精算課税制度生前贈与制度は、高齢者世代が保有する資産を若い世代に早期移転させて、有効活用を促すことを目的としています。

しかし、贈与税については、暦年課税は基礎控除(年110万円)を活用することで、将来の相続税の負担を大きく抑えることができるため、贈与開始の時期によっては公平性に課題があるとされていました。

一方、相続時精算課税制度についてもその使いにくさから十分に活用されていないとの指摘がありました。


相続税とは、

亡くなった人からお金が財産を受け取った(相続した)時に発生する税金です。



贈与税は、

生きている人からお金を受け取った(贈与された)場合に発生する税金です。

贈与税の暦年課税であれば、年110万円の基礎控除を受けることができます。



相続時の相続税の負担を減らすために、

相続時精算課税制度や生前贈与を利用する方が増えています。



税制改正の内容

従来の相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母等から、18歳以上の子や孫等に財産を贈与する場合に選択できる仕組みです。

この制度を選択すると、累計2,500万円までの贈与に関して贈与税としては非課税となりますが、相続時には贈与された価額を相続財産に加算した価額に対して相続税が課されます。


相続時に贈与された金額に対しても相続税がかかるなら、

わざわざ、選択する必要がないのでは??



相続時課税制度のメリットは、

贈与時の価額で相続財産に加算することができるところです。

将来値上がりの期待できる財産を早めに贈与することで相続税を抑えることができますよ。



なお、一度選択すると自動的に継続され、その後取り消すことはできません。

これまでの相続時精算課税制度は、贈与税の基礎控除(110万円)が受けられず、110万円以下の贈与であっても贈与のたびに申告が必要であることなど、選択する人は多くありませんでした。


相続時精算課税制度の見直し

今回の改正では、相続時精算課税制度にも110万円の基礎控除が創設されました。これにより、控除された価額は相続時の財産価額からも除かれます。

また、相続時精算課税制度を適用して取得した土地や建物が、贈与日から相続時の相続税申告書の提出期限までの間によって一定の被害を受けた場合、土地や建物の評価額を見直し、被害を受けた額を贈与時の価額から控除したうえで相続財産に加算できるようになります。

従来の生前贈与加算

「生前贈与」とは、

被相続人(贈与する人)が死亡する前に自分の財産を人に分け与えることです。その際、暦年課税によって贈与を受ける場合に、年間110万円までの基礎控除を受けることができます。

これにより、110万円以下であれば贈与税の申告が不要です。

「生前贈与加算」とは、

被相続人(贈与する人)から相続開始前3年以内(加算期間)に、暦年課税によって贈与を受けた場合にその財産の贈与時の価額を相続財産に加算する制度です。

暦年贈与の基礎控除額110万円以下で贈与を受けた財産についても、加算期間内であれば相続税が課されます。



つまり、

暦年課税で110万円までの基礎控除を受けて贈与税の支払いがなかった分についても、

相続開始前3年以内のものについては相続財産として相続税の対象に含む制度ですね。



生前贈与加算の見直し

今回の改正で、この加算期間が3年から7年に延長されます。

ただし、今回延長した期間に受けた贈与については、総額100万円までは相続財産に加算されません。

経過措置により、加算期間は2027年1月以降段階的に延長され、2026年12月31日までに相続開始の場合は、加算期間は現行の3年のままとなります。

最終的に加算期間が7年となるのは2031年1月以降に相続が開始となった場合です。

制度を適用する場合は、これまで以上に早期の資産移転が必要となっていきます。


まとめ

制度の改正により、

相続時精算課税制度でも年間110万円に基礎控除が使えることで、生前贈与加算の対象となる人に年間110万円以内で贈与する場合や、贈与者が高齢等の理由により長期間にわたる贈与が難しい場合など、改正後の暦年課税より有利なケースが考えられます。

使いやすさが向上した「相続時精算課税制度」

従来の良さも残しつつ公平性を保つために加算の変更が行われた「生前贈与」

それぞれの良さを踏まえてケースに応じて選択していきましょう。

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